企業会計における収益の均分法とは、サービスや製品の提供が長期にわたって継続的に行われる場合に、契約期間全体にわたって収益を均等に配分して認識する方法です。たとえば、1年契約で毎月継続してサポートを提供する場合、年間の契約金額が120万円であれば、毎月10万円ずつ収益に計上します。この方法は、サブスクリプション型のサービスや、保守・メンテナンス契約など、提供内容が一定であると想定される取引でよく用いられます。特徴としては、実際の成果の有無や内容にかかわらず、契約期間を基に機械的に収益を配分する点にあります。
この他にも、収益計上にはいくつかの方法があります。完成基準は、商品やサービスの提供が完了した時点で収益を一括して認識する方法で、一般的な物販などで用いられます。また、引渡基準には出荷基準や検収基準があり、出荷や顧客への引渡し、あるいは検収が完了したタイミングで収益を計上します。製造業や小売業などで多く見られる手法です。
また、完成基準は発生主義の一部に含まれる実務的な適用方法の一つと考えることができます。ただし、発生主義そのものとイコールではありません。発生主義は、会計上の「期間損益計算」の基本的な考え方です。金融取引における発生主義では、利息が実際に受け取られた時点ではなく、「発生した期間」に応じて収益として計上します。つまり、契約や債権に基づいて利息が時間の経過とともに発生しているとみなされるため、たとえ現金がまだ入金されていなくても、その発生分を会計上「受取利息」として収益計上します。
さらに、進行基準という方法もあり、これは長期プロジェクトにおいて、作業の進捗に応じて収益を段階的に認識するものです。建設業やシステム開発などで、実際の作業進捗をもとにして収益や費用を計上する場合に用いられます。