盆暮払いとは、商取引における代金の支払方法の一つで、商品やサービスの代金を取引の都度ではなく、夏の「お盆」と年末の「暮れ」、つまり年に2回、定期的にまとめて支払う方式を指します。これは主に、問屋や小売店などが繰り返し仕入れを行う際に用いられる商慣習で、掛け取引(信用取引)の一種として位置づけられます。たとえば、1月から6月までの仕入代金を「お盆払い」として8月に、7月から12月までの分を「暮れ払い」として12月または翌年1月に精算するという形式が一般的です。この仕組みにより、仕入先に対する頻繁な支払事務が省略される一方、買い手側は一定期間の資金繰りに余裕を持てるメリットがあります。ただし、代金の回収までに時間がかかるため、売り手側にとっては信用リスクが伴い、取引先の財務状況や支払実績などの信用管理が重要となります。現代では、こうした盆暮れ払いの慣行は減少傾向にあるものの、特定の業界や地域においては今なお根強く残っており、伝統的な商習慣の一形態として認識されています。
盆暮払い
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