ICチップ

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ICチップとは、電子回路を内蔵した非常に小型の集積回路であり、クレジットカードやキャッシュカード、マイナンバーカードなどに組み込まれて、情報の記録や処理を行う重要な装置です。その構造は、シリコン基板上にトランジスタやコンデンサなどの回路素子が微細に形成されたもので、情報の読み書きが可能なメモリ領域、データ処理を行うCPU、暗号処理専用の回路などが一体化されています。

 

ICチップの最大の特徴は、情報を単に記録するだけでなく、チップ内部での処理が可能である点にあります。たとえば、クレジットカードにおいては、決済時にICチップ内のCPUがトランザクションデータを暗号化し、真正性や改ざんの有無をチェックするなど、高度な処理を自動で行います。これにより、従来の磁気ストライプ方式に比べて、偽造や不正使用に対する耐性が格段に向上しています。

 

セキュリティ面では、ICチップはデータの暗号化や認証機能を備えており、内部の情報に不正アクセスしようとすると自動的に機能を停止したり、データを消去したりする自己防衛機能も備えています。加えて、チップの設計そのものがリバースエンジニアリングを困難にする構造となっており、物理的な解析を試みても情報の窃取が極めて難しい仕組みとなっています。

 

このように、ICチップは高度な集積技術と情報セキュリティ技術が結びついた装置であり、現代の電子的な本人確認や決済システムにおいて中核的な役割を果たしています。

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