カードローンの発行業態別の特徴とお勧めの申込順位
目次
カードローンの発行業態の概要
主なカードローン発行会社の種類
カードローンは主に3つの発行業態があります。まずは銀行等の金融機関、そして消費者金融、信販及びクレジットカード会社のクレジット会社です。さらに、金融機関のカードローンは金融機関本体が発行する場合と金融機関の子会社が発行する場合があります。また、信販及びクレジットカード会社のカードローンは、クレジットカードの付帯サービスとしてのカードローンとクレジット機能のついていないローン専用カードを発行する場合の二通りがあります。それぞれ業態毎の特徴としては、金融機関のカードローンは、クレジットカード総量規制の対象外であり、比較的金利が低いのが特徴です。一方、消費者金融系カードローンは審査のスピードが早く、最短即日の融資が可能な場合もあります。信販系及びカード会社系のカードローンは、クレジットカードのキローン枠(キャッシング枠)に近い仕組みです。それぞれの特徴やメリットを理解した上で、自身に合った申込先を選ぶことが重要です。
カードローンとキャッシングの違い
カードローンとキャッシングは同義語として使われる場合と別な商品として見なされる場合があります。金融機関及び消費者金融会社は、商品名としてカードローンの名称を使用しています。一方、信販会社とクレジットカード会社は、一般的にはキャッシングと呼ぶ場合が多いです。これは、本来クレジットカードがクレジット機能とローン機能の二つの機能を持ち合わせており、従来より貸金を「キャッシング」と呼び慣れていたためと思われます。なお、信販会社やカード会社が発行するローン専用カードは、ローンカードと呼び商品名もカードローンですが、貸付行為はキャッシングと呼ぶことが多いです。なお、JCBの場合は分割払いをローンと呼びマンスリークリアーの貸付をキャッシングと呼んでいましたが、現在はキャッシング分割払い及びキャッシング1回払いと呼び金利も同じになっています。
発行業態毎の貸付金利の傾向
一般的に、貸付金利は、金融機関が一番安く消費者金融や信販・クレジット会社は高いと言われてきましたが、最近の傾向としてその差が縮まってきています。金融機関の貸付金利は多少バラツキがあるものの最低が1.3%~3.0%程度で、最高金利は14.5%程度が多くなっています。そして消費者金融の場合の最低金利は3.0%~4.5%が一般的で最高金利は18.0%です。信販会社の場合は、最低金利が4.5%で最高金利が18.0%。カード会社の場合、最低金利が1.3%で最高金利が18.0%となっています。但し、クレジットカードのローン機能の金利については、信販及びカード会社は15.0%もしくは18.0%と高率です。なお、低い金利はいずれの場合も数百万の高額限度額の場合であり、100万円以下の場合は10.0%以下になることは稀です。
形態別カードローンの特徴と選び方
カードローンの申込みに当たってのお勧め順位とその理由を説明します。
最初は、金融機関のカードローンからです。
金融機関カードローンのお勧めポイント
銀行系カードローンの最大のメリットは、他の業態である消費者金融等のカードローンより金利が安いことが挙げられます。さらに、金融機関によっては給与振込、公共料金口座振込及び住宅ローン利用等の既存取引によって金利を優遇する制度をとっているところもあります。また、貸金業法の総量規制が適用されないため、年収の3分の1を超える借入が可能で、勤務先や勤務年数及び持家の有無などの属性情報並びに個人信用情報の評価によって高額融資を希望する場合にも対応しやすい点が挙げられます。一方、クレジット会社や消費者金融会社等の貸金業者については借入金額が50万円を超える場合は慎重な審査の必要性から所得証明書の徴取が義務付けられていますが、金融機関の場合は義務はありません、但し、実務的にはほとんどの金融機関が貸金業者と同じく徴取しています。申込時点で口座の有・無については問わないとする金融機関も増えています。
まず地元の金融機関の中から選びます。その中で既に給与振込や公共料金の口座振替をセットしている取引のある金融機関があればその金融機関を優先します。取引のある金融機関が優良地銀三行とか五大地銀及びそれらに準じる優良地銀、第二地銀であれば非常に望ましいです。因みに、優良地銀三行は以前は横浜銀行、静岡銀行及び山口銀行でしたが、最近は山口銀行の代わりに千葉銀行に入れ替わっています。五大銀行は、新旧優良地銀三行の四行に福岡銀行を含めたもので、これに続くのが京都銀行です。
地方銀行に限ったことでは無く地元の優良第二地銀、信用金庫を含めて対象を拡げて商品を選んでも良いでしょう。特に、県外への転勤が無い方は地元の金融機関をメイン銀行として深耕することで今後住宅ローン等の新しい取引をお願いする際にも有利です。健全な優良金融機関のカードローンをまず対象とする根拠は次の理由によります。優良行と言われている銀行はバブル崩壊の影響が少なく、いずれも公的資金の注入を受けていません。特に、シブ銀の異名を持つ静岡銀行は、他の銀行が担保主義で融資を行っていたにも関らず、「担保に融資せず人を見て融資する」姿勢を貫き、融資先の経営者の人柄、ビジョン、経営計画を基に融資し、場合によっては経営者に銀行の役員が面接し無担保で融資したとのエピソードもあります。静岡銀行は、バブル期の成功において、担保主義から脱却して融資の質を重視したことで、単なる利益追求だけではなく、持続可能な経営を目指したという点で、金融界で高く評価されました。当時既に金融界のSDGsを実践していたと言えます。
このように優良行に見られる一貫して筋の通った姿勢は、たかがカードローン一つを選ぶ際にも重要です。健全な経営は金利が継続して低く抑えられ上振れの不安やが少なくカードローンの取扱い中止の可能性が低いこと、健全な経営姿勢は、個人情報の管理及びセキュリティ対策も万全である可能性が高く安心感が得られること、トラブルの発生や不慮の出費により返済に不安があった場合も親身に相談に応じる可能性が高いことなどが考えられます。
銀行カードローンの基本的な概要
銀行カードローンとは、銀行が提供する個人向け融資商品で、無担保・無保証で利用できるのが特徴ですが、保証会社の保証が条件になります。自由に資金を使えるため、急な出費や生活費の補填、趣味や娯楽の資金として利用されることが多いです。申し込みには銀行口座が必要な場合もあります。
金利の特徴とその水準
銀行カードローンの大きな特徴は、消費者金融や信販会社・カード会社が提供するカードローンに比べて低い金利で借りられることです。多くの場合、年1.3%~15%程度の金利が設定されており、借入限度額が大きいほど金利が低く抑えられる傾向にあります。このため、費用負担を抑えたい方に適しています。ただし、金利は利用限度額や審査内容に応じて個別に決まるため、契約前によく確認する必要があります。余談になりますが、上限金利は年14.6%に設定しているところが多く見受けられますが、これは日歩4銭(100円に付き1日当たり4銭の利息の意味)に相当します。なお、日歩8銭の場合は年率29.2%、日歩30銭の場合は年率109.5%で旧出資法の上限金利に相当します。このように古い言い方はしなくても、利率としては慣例として使われています。
審査や融資スピードのポイント
銀行カードローンの審査は、比較的厳しめで時間が掛かる、と言われていましたが保証会社によっても違いがあり、早く審査結果を出すところもあります。承認が得られればカードの到着前に振込で融資を受けられるところもあります。審査は即日から数日かかる場合が多く、審査内容には申込者の収入状況や信用情報が細かく確認されます。そのため、一両日中に資金を必要とする場合には間に合わない金融機関が多いと思いますので申し込む時点で審査の所要時間、審査承認後の振込融資の可否を確認しておきましょう。
注意すべき点
銀行系カードローンには必ず保証会社の保証が付きます。カードローン発行の可否は保証会社の審査結果次第です。また、保証会社は2~3社の場合が多く、まず銀行子会社の保証会社に保証審査依頼を行い、否決になったら信販会社や消費者金融会社に保証を依頼します。銀行によっては保証会社二社に同時に審査依頼して早い方と保証契約したり、優良取引先の社員や職域募集は子会社、その他は信販会社等と振り分けているところもあります。保証会社がクレジット会社の場合、クレジットヒストリーが悪かったら保証は得られず否認されます。また、この段階で信用情報会社に1~2の照会記録が残りますので後の審査に影響が出る可能性があります。
銀行系カードローンの発券形態はいろいろです。どのような発行形態なのかよく調べて申し込む必要があります。例えば、信販会社、カード会社や消費者金融と同じような単一カード発行型。この場合でも、貸越口座発行を伴うものとそうでないものがあります。貸越口座は、借入や返済の履歴が記録され便利なようですが普通預金口座と合わせて二枚持ちになるので煩わしいです。
次は、キャッシュカード一体型で別途説明のバンクカードタイプです。一枚のカードにカードローンとキャッシュカードが組み込まれています。一体型のカードの場合は、借入や返済の場合は、ATM画面で「カードローン」を選択して操作します。
クレジット系カードローンの特徴と利便性
クレジット系カードローンの基本的特徴
クレジット系カードローンは、クレジットカードのキャッシング機能を利用してお金を借りることができるサービスです。このカードローンは、カードを発行した信販会社及びクレジットカード会社が提供しており、クレジットカード機能の一部としてロ-ン機能を付加し一体化している場合と別途にローンカードを発行する場合に分けられます。
二つの異なるタイプのクレジット系カードローン
クレジット系のカードローンは、二種類に分けることが出来ます。まずはクレジットカードに付帯したカードローンで限度額は一般的に10~50万円で最高は100万円です。なお、このローン枠の他にショッピング枠があるのでクレジットカードとしての合計の限度額はローン枠の倍程度になります。クレジットカードの限度額は極一般の人は入会当時が30万円程度で、その後50万円、70万円と信用に比例して増額されますので、それに応じてローン枠は20万円、30万円、40万円と増額されます。ローン枠の金利は、50万円までが18.0%、50万円を超える限度額の場合は15.0%となっています。
もう一つは、通常のローン専用カードで、所謂カードローンです。信販会社の場合は、大手は限度額上限は500万円、金利は4.5%~18.0%です。カード会社の場合JCBは、限度額上限は800万円、金利は1.3%~12.5%で三井住友カードの場合は、商品が複数に及んんでおり新商品は、限度額上限は500万円もしくは999万円、金利は4.5%~14.5%もしくは1.5%~4.5%です。既存のカードローン二種は新規受付を停止しています。
信販会社及びカード会社のカードローンのマイナス要因
信販会社及びカード会社の所謂クレジット会社のカードローンにはいくつかの欠点とマイナス要因があります。まず、申込に対する即決体制が出来ていませんのでスピードの面では消費者金融に劣ります。即日貸付対応を謳っているクレジット会社もありますが、最短の可能性であり2~3日が一般的な審査期間と考えられます。
次に、返済日と支払方法に柔軟性が無いことです。信販会社の支払日は毎月27日でカード会社の場合は毎月10日が約定支払日に設定されていることが多いです。支払方法の中にATM支払いや振り込みもありますが専ら口座振替によります。しかも、ATMで約定返済日の前に支払った場合約定返済と認識されず一部繰り上げ返済と処理され再度約定返済日に支払わないといけない、というトラブルも発生するようです。
また、クレジット会社の場合は、既にクレジットカードを保有しローン枠がある可能性があります。その場合、新たにカードローンを申し込んだ場合は、限度額を合計して50万円を超えたら所得証明書の徴取が必要になる他、他社を含めた総借入額が年収の3分の1を超える場合は利用申込者の期待に応えられないことになります。既に、クレジットカードにローン枠が設定されている場合は、クレジットカードのローン枠を閉鎖しその枠を含めてカードローンにするなどの対応方法があります。カードローンに切り替えた方が金利が低くなる可能性があります。
消費者金融系カードローンの特徴と活用法
消費者金融系カードローンの仕組みとは
消費者金融系カードローンの特徴は、申込方法や返済方法面で柔軟で顧客に寄り添ったシステムが構築されていることです。申込方法は、パソコンやスマホによるネット申込みの他無人契約機による申し込みが可能で受付・貸付の対応時間帯も他の業態よりも長くなっています。また、返済方法も自社及び提携ATM返済をメインとして、ネット返済、口座振込、口座振替と多岐に渡り返済日も任意の日を指定できます。また、借入方法もATMでのローンカードによる借入及びスマホによるQRコード読み込みによる借入の他振込により24時間借入可能です。以上の通りあらゆる角度からカスタマーサポートがされています。
消費者金融の速さと便利さについて
消費者金融カードローンの最大のメリットの一つは、申込みから融資までのスピードが非常に速いことです。金融機関のように保証会社の審査が入ることで双方のやり取りが発生し時間的ロスが生じないことがスピードアップに繋がり、多くの場合、最短即日で借り入れ可能で、急な資金ニーズに対応できるのが特徴です。申請はインターネットやスマホアプリを通じて簡単に行え、審査結果も迅速に通知されます。ローンカードの発券についても必要なら近くの無人契約機で承認日当日に受け取ることもできます。
金利と返済負担の考え方
消費者金融系カードローンは手軽さに優れる一方で、銀行系カードローンに比べて金利が高めである傾向がありますが、年利は3%~18%程度でクレジット系カードローンと略同じで以前に比べると非常に低くなっています。なお、借入額や個人の信用力によって適用される金利は異なる場合があります。また、無利息期間を設けている消費者金融も多く、短期的な借入れであれば返済負担を軽減することも可能です。こうした条件をうまく活用することで、無理なく利用することができます。
消費者金融系ローンのデメリット
消費者金融系カードローンは便利である反面、いくつかの注意点があります。まず、貸金業法による「総量規制」の対象となるため、他社借入を含めて年収の3分の1を超える金額を借りることができません。これにより、多額の資金が必要な場合には利用が難しい場合もあります。さらに、短期間で複数の消費者金融からの借入れを行うと信用情報に影響を与える可能性があるため、申込先と申し込む順番を慎重に選ぶことが重要です。また、クレジットカードのように他人に見られることはありませんがステータスとしては低く見られる傾向があります。
自分に合ったカードローンを選ぶためのチェック
基本となる返済計画の作り方
カードローンを利用する際には、必ず無理なく返済が出来るか計画を立てることが大切です。返済計画を作る際は、毎月の収支を細かく確認し、返済に充てられる金額を明確にしましょう。その際、無理のない金額設定にすることが重要です。また、利率を考慮し、借入金額や返済回数を設定してください。例えば、金利が高い場合には早期返済を心がけることで、支払う総利息を抑えることができます。
信用情報の重要性と影響
カードローンを選ぶ際には、自分の信用情報が審査にどのように影響するかを理解する必要があります。金融機関や信販会社は、あなたの返済能力を評価するために信用情報を参照します。自己の信用情報を確認し、過去に延滞や滞納がないか注意しましょう。これらの情報は、審査の結果だけでなく、提供される融資限度額や金利条件にも影響を及ぼします。また、同じ業態に継続して申し込むと同じ信用情報機関に照会情報が蓄積され信用度が低下して行きます。特に、金融機関系のカードローンの申込みの際は2社以上の信用情報機関に登録される可能性があるため注意が必要です。申し込みの際は、借入先と保証会社がどの信用情報機関を使うのか契約条項から確認しましょう。
複数のカードローンを比較する際の注意点
複数のカードローンを比較する場合、金利や限度額だけでなく、無利息期間や返済方式、返済日など多角的に検討することをおすすめします。また、特に注意したいのが「適用金利」と「実際に適用される金利」の差です。広告などで提示される金利の下限値が実際に適用されるわけではありません。むしろ適用されることはないと考えた方が正しいです。申し込みの際には自分の信用情報、属性情報及び利用実績に基づいて適用金利が変わることを理解しましょう。金融機関や信販会社によっても審査基準が異なるため、利用目的に応じて最適な申込先を選択することが重要です。