双務契約

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双務契約とは、契約当事者双方が互いに義務を負う契約のことを指します。つまり、一方が何らかの給付を行えば、もう一方もそれに対する対価を提供するという関係が成立しています。例えば、売買契約では、売主が商品を引き渡す義務を負い、買主は代金を支払う義務を負います。このように、双務契約では双方の義務が対価関係にあるため、一方が義務を履行しない場合には、もう一方が履行の拒絶や契約解除を主張できる場合があります。

また、双務契約は「対価的契約」とも呼ばれ、契約を締結する双方が互いにリスクと利益を共有するという特徴を持っています。そのため、契約不履行が生じた際の救済措置として「同時履行の抗弁権」や「危険負担」などの制度が設けられています。例えば、ある契約において、相手方が先に義務を果たさない限り、自らの義務の履行を拒否できる権利(同時履行の抗弁権)が認められることがあります。

このように、双務契約は契約当事者の権利と義務のバランスを保つ役割を果たしており、多くの商取引や日常生活の契約において基本的な枠組みとして活用されています。具体的な契約内容や履行条件は契約ごとに異なるため、契約を締結する際には、契約条項を慎重に確認することが重要です。

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