機関保証を付けた場合の保証料
保証料の定義と概要

保証料とは、保証契約に基づき金融機関が貸付を行う際に将来の不良債権リスクを担保してもらうための費用として支払われるものです。保証料の根拠となる保証契約は、一般には個別保証契約ではなく限度額を定めた包括保証契約です。個別の保証については、保証会社から金融機関宛に保証書を発行することで契約の特定を行っています。保証料は、金融機関の将来の貸倒等の不良債権リスク回避のための対価で受益者は金融機関です。
保証委託料が、借受人の借入便宜の対価と考えるのと違いがあります。
保証会社は、借受人がが金融機関から融資を受ける際に信用を保証する機関であり、借入時の信用を担保するだけでなく、返済が滞った場合には借受人に代わって立替払い、すなわち代位弁済を行います。
保証料の支払い方法
保証料の支払いは、商品によって違いますが、一般的には借入時に金融機関から保証会社に一括で支払われます。但し、現実的には必要な資金に保証料相当額を上乗せして貸付したり、別途保証料相当額を借受人に負担させながら「保証料」と称しながら、実態として「保証委託料」の場合も多く見受けられます。
保証を委託した側が支払う保証委託(手数)料
保証委託手数料の定義と概要
保証委託(委託)料とは、金融機関から借入を受ける者が連帯保証人や担保の代わりに保証会社の保証を受ける際に支払う手数料です。保証委託料は保証委託契約を原因として発生し、借受人が受益者であることから借受人が保証会社に支払います。
保証委託契約は、カードローンや証書貸付の他住宅ローンにおいて頻繁に使用されます。これは、多くの場合、金融機関が個人融資を行う際に、事業性資金の融資と違って連帯保証人や担保を付すのが困難な代わりに保証会社の保証を受けることで迅速且つ確実に貸付の保全が可能なためです。
また、住宅ローンにおいては、担保となる不動産の調査も保証会社が行う場合があります。保証会社には宅建士と同等の知識を有する調査員が存在し、担保となる物件の現地調査、法令上の制限及び取引事例を基にした評価を行います。
保証委託手数料の支払い方法
保証委託料の支払いは、一括前払いと分割約定払いがあります。傾向としては、住宅ローンの場合は一括前払いが多く、カードローンや証書貸付の場合は分割約定払いが一般的です。なお、住宅ローンとカードローン等のリテールとは保証委託手数料は大きく違います。
その他関連費用
保証料や保証委託料以外にも、金融機関から借入する際に費用が発生する場合があります。カードローンや証書貸付の場合にはまずその他の費用が発生することはありませんが、住宅ローンの場合は様々な費用が発生することがあります。これらの費用は、借入時に一括で支払われることが一般的です。
事務手数料
概ね50,000円程度の事務手数料が求められますが、これは保証会社に支払われます。主に担保物件の調査費用に費やされますが、一概に高いとは言えません。調査に3~5日程度を要し、交通費、法務局での調査費として活用されます。保証依頼の際に不動産関係の書類が添付されていても公図や建物図面、地積測量図を自ら直接確認することもあります。
抵当権設定費用(登記関係費用)
抵当権設定費用や売買が伴う場合の所有権移転登記費用等は借主が直接司法書士に支払うのが原則です。金融機関や保証会社が金銭を受領し全ての登記手続きを行うのは極めてまれです。売買が伴う大勢が一堂に会する取引でも金融機関は借主に融資金を渡し、その後借主がそれぞれ売主、司法書士等に支払います。
その他
極めて稀に、公正証書作成や火災保険に対して確定日付を徴取する場合にそれらの費用が発生する場合があります。公正証書は、債務名義としての意味合いもあり、「金銭消費貸借契約公正証書」では無く「保証委託契約公正証書」として作成するのが専らです。